一口知識

1. こんにゃくは何からできている?(海藻?動物?農産物?)

ところてんは海藻の天草などの寒天質が、ゼラチンは動物の骨や腱のコラーゲンが原料ですが、こんにゃくは作物のこんにゃく芋のグルコマンナンを固めたもの。
寒天やゼラチンは温めると溶けますが、こんにゃくは溶けないので煮ものや炒めもの料理の具材になります。

2. こんにゃくの水分は何%?

こんにゃく粉(グルコマンナン)を30~40倍の水で練って固めるので水分は97%程度、残り3%の固形分は食物繊維のグルコマンナンです。生芋こんにゃくも水分は96%程度です。

 3. こんにゃくに栄養価値はあるの?

こんにゃくの主要成分は食物繊維(グルコマンナン)とカルシウムで、100g当たりでは食物繊維はサツマイモ並み、カルシウムは牛乳の半分も含んでいます。日本人の栄養摂取量で不足している主要な栄養素は食物繊維とカルシウムですが、これらをカロリーの過剰摂取を気にせずに補給できるのがこんにゃくの魅力です。

4. こんにゃくに白いのと黒いのがあるのは何故?

精粉で作るこんにゃくは白色ですが、これに海藻粉末を混ぜたものが黒こんにゃくです。昔から食べられていた生芋こんにゃくは芋の皮などで黒っぽい色をしていたので、これに似せたものです。ちなみに、東京以西は黒こんにゃくが、栽培が少なくもともと粉こんにゃくだった東北地方や北海道では白こんにゃくが好まれるようです。

5. しらたきと糸こんにゃくの違いは何?

昔は作り方の違いで、板こんにゃくを細く切ったものを糸こんにゃく、凝固剤を加えてシャワー状に湯の中に出して細長く固めたものをしらたきと呼んでいました。現在はどちらもしらたきの 作り方と同じですが、関西では昔ながらの糸こんにゃくと呼ぶようです。

6. こんにゃく芋はそのまま煮ても食べられない?

こんにゃく芋にはシュウ酸カルシュウムが多く含まれており、その針状結晶が口の中の皮膚や粘膜を強く刺激するので生でも煮炊きしても食べられません。畑を荒らすイノシシも食べないと言われています。
芋を練ってアルカリ性の凝固剤を混ぜるとグルコマンナンが固まることで針状結晶が無害化してこんにゃくとして食べられるようになります。
昔は凝固剤に草木灰の上澄み液を使っていましたが、現在は主に水酸化カルシウムを使っています。

7. 日本にこんにゃくが伝来したのはいつごろ?

日本で最初に食用こんにゃくのことが記載されている文献は平安時代の百科事典「和名類聚抄」(931 ~ 937 年)で、灰汁で固めるこんにゃくの作り方を記した中国の文献「蜀都賦」(3世紀ごろ)が紹介されています。これらから、6世紀に中国から仏教とともに医薬品の1つとして日本に伝来したのではないかと考えられています。
植物としてはサトイモなどと一緒に縄文時代には伝来していたという説もあります。

8. こんにゃくを食べているのは日本だけ?

中国や東南アジアの限られた地域で土着的に食べられていたようですが、作物として栽培し全国民が日常的に様々な料理で食べているのは日本だけです。近年、中国では生産量とともに日本の食べ方が急拡大し中華料理などにも使われています。肥満とグルテンアレルギーに悩む欧米でもローカロリーとグルテンフリーの麺として「しらたき」が注目されています。

9. 現代のこんにゃくレシピは江戸時代にもあった?

はじめは僧侶や貴族の間で精進料理や間食として珍重され、それが民間で常食化しはじめたのは仏教が民衆信仰となった鎌倉時代以降です。さらに、こんにゃくの栽培が全国に広まり庶民の一般食になったのは江戸時代以降、江戸後期にはこんにゃく粉の製法が発明され、いつでもどこでも食べられるようになって現代と変わらない様々なレシピをまとめた「蒟蒻百珍」も発行されています。

10. 「こんにゃくえんま」、「こんにゃく稲荷」、「こんにゃく神社」とは?

昔から、こんにゃくは身体に良いと知られていたようで、病気平癒と関係のある逸話もずいぶん残っています。
「こんにゃくえんま」で有名な東京文京区の源覚寺。江戸後期、目を患った老婆がこのえんまさまに祈って無事平癒し、お礼にえんまさまの好物のこんにゃくを供えたとか。
「こんにゃく稲荷」の名で知られるのが東京墨田区の三輪里神社。ここは咽の病気に効くといわれ、今出も初牛の日には一万数千本のこんにゃく護符が買われるそうです。
「こんにゃく神社」は茨城県久慈郡大子町にあり、江戸時代後期の農民でこんにゃく粉の製法を発明しこんにゃくの普及に貢献した中島藤右衛門が「こんにゃくの神様」として祀られています。

11. 俳人・芭蕉がこんにゃくの句を詠んでいるってホント?

17世紀の俳人・松尾芭蕉はこんにゃくを好んで食べたようで名句をいくつも残しています。
・蒟蒻のさしみもすこし梅の花
・蒟蒻に今日は売り勝つ若葉かな

12. こんにゃくはメタボに悩む人の救世主?

メタボに悩む人は美味しい料理は食べたいけれどカロリーの摂り過ぎが心配です。こんにゃくは様々な料理に取り込めるので、同じ分量の料理を食べてもこんにゃく分だけダイエットになります。食べる量を減らしたくないけどカロリーの摂り過ぎが心配な人にはこんにゃくは救世主のような食材です。

13. こんにゃくはどうして便秘解消に良いの?

便秘原因の多くは小食と水分不足。こんにゃくは水分97%の固形物のまま大腸に達して嵩張り腸壁を刺激して排便反射を高め、水分を供給して便も柔らかくします。
また、サツマイモ並みの食物繊維が腸内細菌のエサになって短鎖脂肪酸に分解され、腸内が酸性化して善玉菌が優勢になり腸内環境が改善、排便を促す腸のぜん動運動も活発化します。

14. こんにゃくが糖尿病患者に良い理由は何?

糖尿病患者の食事療法のポイントは食べ過ぎに注意して適正なエネルギー量をとり栄養バランスを保つことです。

具体的には①腹八分目、②食品の種類は多く、③脂肪は控えめ、④食物繊維を多く、⑤3食きちんと、⑥ゆっくりよく噛んで、⑦糖質の間食をしない。

こんにゃくを毎日の料理に取り入れれば、料理の量を変えなくてもこんにゃく分だけエネルギーと脂肪が減少し食物繊維が増加、噛み応えがあって腹持ちも良く間食不要、栄養バランスも保たれます。

15. 「しらたきがすき焼の肉を硬くする」は誤解?

こんにゃくには凝固剤のカルシウムがわずかに含まれているので標記のように「鍋の中で肉と隣り合わせてはダメ」と実しやかに言われていました。当協会では2017年に食品分析機関に比較試験を委託、肉の硬さはしらたきの有無では差がなく、加熱時間や肉質(霜降りの有無)の影響が大きいことを確認し、しらたきが肉を硬くする原因ではないことを公表しました。

16. こんにゃくは中国で魔芋(モーイ)、欧米でDevil’s Tongue(悪魔の舌)?

英語では正式には「Konjac」と言い、学術名は「Amorphophallus Konjac, k. Koch」です。
しかし、中国では魔芋(モーイ)、欧米ではこんにゃくの花の形からDevil’s Tongue(悪魔の舌)もしくは芋の形からElephant Foot(象の足)と呼ばれるように親近感のもてない食べ物だったようです。

17. こんにゃくはどうして常温で保存できるの?

袋に密封されたこんにゃくは賞味期限が通常常温で3か月程度と記載されています。これは殺菌力のある強アルカリ性の凝固液とともに封入されているからです。しかし、あまり長く放置すると離水して品質が悪くなります。

18. こんにゃくのアクって何?

食品のあくは「食物に含まれる渋味、えぐみ、苦味など不快で不要とされる成分の総称」といわれています。
こんにゃくの原料であるこんにゃく芋には渋味、えぐみ成分の「フェノール誘導体」「シュウ酸塩」やくさみ成分の「トリメチルアミン」が含まれています。また、凝固剤として石灰(水酸化カルシウム)を使います。これらが合わさって、こんにゃくのえぐみやくさみになっています。
最近のこんにゃくは、精製度が向上し不快成分が少ない粉こんにゃくが多く、気にならなければ水洗いだけで食べても構いません。
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